ビジネスパーソンを最も苦しめる業務の一つ、「議事録作成」。 1時間の会議の録音を聞き直し、文字に起こし、要約して体裁を整える……。これだけで2〜3時間かかることもザラです。

しかし、AIを使えばこの作業は 「実働3分」 になります。 今回は、音声認識AIと文章生成AIを組み合わせた、最強の議事録作成フローを紹介します。

Step 1: 録音と文字起こし(Whisper等の活用)

まずは会議を録音し、テキスト化します。 以前は精度が低かった音声認識ですが、OpenAIの「Whisper」などの登場で革命が起きました。

  • ツール例: PLAUD NOTE, Notta, CLOVA Note, Whisper(ローカル環境)

これらを使えば、「えー」「あー」といったフィラー(言い淀み)を除去しつつ、ほぼ完璧に文字起こししてくれます。話者分離(誰が話したか)も自動でやってくれるツールが増えています。

Step 2: AIによる要約と整形

文字起こしされたテキスト(生ログ)は、そのままでは読みづらいです。 ここでChatGPTやClaudeなどのLLMの出番です。

プロンプト例:

以下のテキストは会議の文字起こしです。
これを読みやすく整理された「議事録」に変換してください。

【フォーマット】
1. 決定事項(最優先)
2. ToDoリスト(誰が、いつまでに、何を)
3. 議論の要点
4. 次回の予定

【文字起こしテキスト】
(ここに貼り付け)

ポイントは 「決定事項」と「ToDo」を最初に持ってくること です。 ビジネスにおいて、誰が何を言ったか(経過)よりも、結局どうなったか(結果)の方が重要だからです。

Step 3: 人間による最終確認

AIが出力した議事録をサッと確認します。

  • 固有名詞(社名や人名)の間違いはないか?
  • 重要な決定事項が漏れていないか?
  • ニュアンスが間違って伝わっていないか?

AIは「空気を読む」のが苦手なので、微妙なニュアンスや、会議外の文脈(根回しなど)は人間が補足する必要があります。

応用編:構造化データへの変換

単なるテキストだけでなく、表形式やマインドマップ形式に出力させるのも便利です。

  • 「議論の対立軸を表形式で整理して」
  • 「アイデア出しの部分をマインドマップ形式(Markdown)で出力して」

これにより、会議の全体像が一目でわかるようになります。

まとめ

  1. 録音・文字起こし:専用ツールで自動化
  2. 要約・整形:LLMで構造化
  3. 確認:人間が最終チェック

このフローを構築すれば、議事録作成は「作業」から「確認」に変わります。 浮いた時間で、より創造的な業務に集中しましょう。